前号ではアンチエイジングのための食事の基本についてお話ししましたが、今回は是非とも補って頂きたい重要な栄養素についてお伝えします。それはビタミンＤです。
ビタミンＤは紫外線を利用して皮膚で作られるビタミンですが、その働きはビタミンというよりもむしろホルモンに近いきわめて重要なものです。 加齢とともに骨が弱くなることを心配される方も多いと思いますが、骨の健康を守るのは、乳製品やカルシウムを補給することよりも、ビタミンＤを補充することの方が有効であることが報告されています。
ビタミンＤの働きは骨の健康を守るだけではありません。近年の研究では免疫機能の向上、認知症予防、動脈硬化対策、糖尿病予防、転倒予防など、健康維持のためには欠かせない栄養素であることがわかってきました。
免疫機能を強める例として、ビタミンＤを服用することでインフルエンザ感染を防ぐことができることが報告されています。これはビタミンＤにより免疫機能が強化され、ウィルス疾患に対する感染予防効果が出現したことを意味しています。
同様に、ビタミンＤにはガンの予防効果があることもわかってきました。乳ガンや前立腺ガン、大腸ガンの予防効果があることが報告されています。加齢に伴い起こる認知機能の低下やうつ病などの精神科疾患の予防にもビタミンＤは有効とされています。また筋力を維持する働きがあるため、高齢者で多いロコモーティブ症候群の予防にもなります。
ビタミンＤを補給するためには、日光に充分あたること、鮭や青魚を積極的に食べることが必要です。しかし年齢とともに、皮膚で作られるビタミンＤの量が減ることや、食事の全体量が減ってしまうことで必然的にビタミンＤの血液中の濃度は低下してしまいます。
ビタミンＤが充分に足りているか否かを知るには、血液中のビタミンＤ濃度を知る必要があります。抗加齢医療の専門機関ではビタミンD濃度の検査が可能です。 日光浴や食事以外の方法で、ビタミンＤを補うためにはどうしたらよいのでしょうか。ここで登場するのがビタミンＤのサプリメントです。
数あるサプリメントの中でも最も安価なものの一つがビタミンＤのサプリメントです。1日1000~3000IU（国際単位）摂取を目安に副作用されることをおすすめします。この量を取るためにかかる費用は、１ヶ月あたり1000~2000円程度です。ビタミンＤにはＤ２とＤ３がありますが、人間が必要としているのは、Ｄ３です。ビタミンＤのサプリメントを利用される際にはこの点をご確認下さい。
健康の礎となる栄養素、ビタミンＤを補充することは元気に長生きするために欠かすことはできません。
