6月10日(金)から3日間、日本抗加齢医学会総会が横浜で開かれます。
2001年に始まったこの会も、早いもので今年で16回になります。抗加齢医学会の会員数は約8000名ですが、総会への参加者数は例年約4000名を超えており、通常の学会よりも参加率が高い学会です。
抗加齢医学とは、元気で長生きをするための方法を研究、実践する学問です。多くの方がPPK(ピンピンコロリ)と最期を迎えたいと考えていますが、なかなか現実は厳しいものがあります。身体の状態を客観的にコントロールすることは言うは易く、行うは難しです。そのためには専門家のアドバイスが必要になります。
抗加齢医療を受診している方に経営者の方が多いことは、健康管理も経営管理も共通する点が多いためと考えられます。独りよがりの健康法では、無手勝流の経営と同じく、健康を長く維持して行くことは困難です。
我々、抗加齢医学を専門とする医師は、経営コンサルタントのように健康維持のためのアドバイスを行っています。 抗加齢医療の四つの柱は、栄養管理、心のあり方、適切な運動、そして良質な睡眠です。
栄養管理には、食事の内容、不足した栄養素を栄養サプリメントで補うこと、症状にあわせた栄養素のアドバイスがあります。このために行う血液検査は、通常の人間ドックで行われるものとは種類も異なり、同じ項目であってもデータの解釈が異なります。
心のあり方は健康を維持する上ではもっとも重要なものです。常日頃から、平静、感謝、温和な心をもっている人と、正反対の心境で生きている人とでは健康面でも大きな差が出てくるようです。なかでも怒りは身体の健康を瞬時に損なう避けるべき心境です。
運動には、ストレッチ、荷重運動、有酸素運動の3種があります。何事も過ぎたるは及ばざるに如かずで、運動も過度のものは身体にとってはかえって悪影響となります。例えば、フルマラソン後2週間が経過すると多くのランナーの免疫力が極端に低下することが知られています。適切な運動を、適量行うことが理想です。
健康維持のための適切な睡眠時間は7時間と言われていますが、日本人の睡眠時間は世界標準と比べてかなり短いということをご存知でしょうか。就寝前にテレビやPCなどから出るブルーライトに照射されていると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が30%も減少することが知られています。日が暮れたら、できるだけブルーライトを浴びない工夫が必要です。
6月12日(日)の午後には、一般向けの市民公開講座も開かれます。皆様のご来場をお待ちしております。