テロメアとは、遺伝子の塊である染色体の先端にある構造物です。テロメアは細胞分裂を起こすたびに短くなり、ある一定の長さより短くなると細胞分裂ができなくなってしまいます。このため寿命を決める重要な因子の一つと考えられています。
このテロメアの長さを、コーヒーを飲むだけで維持できる可能性があるということは、驚きの研究成果です。 この研究では、4780人の女性の看護師を対象として、コーヒー飲用量と白血球のテロメアの長さとの関係について調べています。
コーヒーを全く飲まない女性と比較して、2〜3杯飲む女性ではテロメアの長さが1.29倍、4杯以上飲む女性ではテロメアの長さが1.36倍と、コーヒー摂取量が増えるに従って、テロメアの長さが保たれていたことがわかりました。
テロメアはストレスや酸化現象によって短くなる傾向があります。反対に抗酸化作用を持つ栄養素によって、その長さを維持することができるとされています。今回の研究でも、コーヒーに含まれる抗酸化物質の働きが、テロメアの長さを維持した原因ではないかと推測しています。 「コーヒーを飲んで長生き」そんな言葉が常識になる時代が来るのかもしれません。