産土神と健康

新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。初詣に行かれた方も多いのではないでしょうか。年初は、近所の産土神(うぶすながみ)様への参拝から始まります。産土神と氏神は厳密には異なるようですが、現在ではほぼ同一の意味で使われています。

産土神とは読んで字のごとく土地を生み出す神様のことです。土は、一体何からできているのでしょうか。動植物の残骸を数多くの生物や微生物が変化させて作り上げた、有機物や無機物の塊が土です。古代遺跡が土の中に埋もれてしまうのも、ミミズや微生物がせっせと土を作り出すためと言われています。我々の祖先は、土を作り出す存在に対して畏敬の念を払い、産土神として崇めたのかもしれません。

都心では土を見ることすら少なくなってしまいましたが、人間は土から生まれ、土に還るというように、土の存在なくして人間の存在もあり得ません。土の中には実に様々な微生物が存在していますが、土と人間の健康とは切っても切れない関係があることが、最近の医学研究で明らかにされつつあります。それは腸内細菌の種類やバランスによって人間の健康状態が大きく左右されることがわかってきたからです。

良質な土に触れることは、様々な微生物とのコミュニケーションを持つことにつながります。そしてそれは腸内細菌叢のバランスを保つことにも役立ちます。先人たちが鎮守の森として神社の森を大切に守ってきたことは、良質な土を守るだけでなく、その周辺に住まう住民の健康を守る意味もあったと考えられます。微細な生命体のおかげをもって、我々人間が生かされていることを感謝することは、生きて行く上での基本だと思います。(写真は明治神宮の鳥居)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次