糖質制限食や運動が糖尿病予防になることは、広く知られるようになって来ました。しかしビタミンDを摂取すると糖尿病の予防ができるということはまだまだ知られていません。
今年の9月にカナダの研究チームによって発表された論文では、ビタミンDを摂取することによって、糖尿病の数値が改善していることが報告されました。本研究は、2型糖尿病患者1,528例に対するビタミンD補充が、ヘモグロビン(Hb)A1c、空腹時血糖値、インスリン抵抗性指数(HOMA-IR)に及ぼす影響を評価しています。
その結果、ビタミンDを1日あたり最低でも4,000IUを補充した群では、過去2-3ヶ月間の血糖値の指標であるHbA1cが0.3%低下、空腹時血糖値は4.9 (mg/dL)低下、さらにHOMA-IRも0.66低下しました。これらの数値の変化は、糖尿病が改善傾向にあることを示しており、中でもインスリン抵抗性指数が大きく改善されています。
糖尿病は冬になると数値が悪化することが知られています。冬になると家にこもりがちとなり運動量が減ること、会合などが増えるため、生活習慣が乱れることなどが糖尿病を悪化させる原因と考えられています。しかし今回の論文の結果を見ると、ビタミンD濃度が減少することも冬に糖尿病の数値が悪くなる原因の一つと言えそうです。なぜなら皮膚で紫外線によって作られるビタミンDは、1〜2月頃に一年中で最も低値となるからです。
糖尿病予防のためにも、日照時間が短くなるこれからの季節には、積極的にビタミンDを補給したいものです。