ケトジェニックダイエットと言う言葉も広く知られるようになりました。ケトジェニックとはケトン体を生み出すという意味、ケトン体とは脂肪が燃焼した結果生まれる成分です。
ケトン体のもつ健康効果には、癌の治療、アルツハイマー病の予防治療、糖尿病予防治療、神経疾患の治療、てんかんの予防、またアスリートのパフォーマンスの向上など、様々なものがあるため、これを増やそうというのがケトジェニックダイエットになります。
誰でもできる簡単なケトジェニックダイエットには、糖質制限があります。一般の方は1日あたり約250~300 g ほどの糖質を摂取していると考えられています。この糖質摂取量を減らすことによって血中のケトン体濃度を増やすことが可能です。 1日あたりの糖質摂取量を150 g 未満に抑えることで、ケトン体の産生量を大幅に増やすことが、当院のデータでも確認されています。
糖質摂取量の目安ですが、茶碗一杯分のご飯に含まれる糖質が約50 g となります。1日3食の場合には、おかずに含まれる糖質もありますので、茶碗飯は、おおよそ2杯までということになります。 自分自身がケトン体を作りやすい体質であるか否かは、空腹時の血中ケトン体濃度を測定することによって知ることができます。
普段の糖質摂取量が多すぎる人の場合には、ケトン体の血中濃度が空腹時でも高くなりません。また脂肪を燃やすために必要なビタミン B 群の摂取が少ない人でもケトン体濃度を高く維持することができません。 極端な糖質制限は弊害があるためお勧めできませんが、1日150から200 g 程度のマイルドな糖質制限は、減量目的や健康維持のためにお勧めできる方法です。