骨の健康を維持することは、全身の健康を維持することにつながる大切な要素です。
骨も新陳代謝を繰り返しています。おおよそ数ヶ月から数年で全身の骨は全く新しいものに入れ替わっています。これは、骨を破壊吸収する破骨細胞と新しい骨を作る造骨細胞が毎日せっせと働いてくれているおかげです。 しかし、加齢に伴い性ホルモンのバランスが変化してくると、骨代謝にも大きな変化がおきます。
女性ホルモンは骨から基質が溶け出すのを防ぐ働きをしています。一方男性ホルモンは骨を作る造骨細胞を助ける働きをしています。更年期以降の女性では、女性ホルモンと男性ホルモンが一気に低下してしまうので、骨を守る力と骨を新たに作る働きが失われてしまうことになります。その結果、骨密度が減少してしまう骨粗鬆症がおきやすくなってしまいます。
男性では40、50代を過ぎても骨粗鬆症になる頻度は女性ほど高くありません。男性更年期で男性ホルモンの低下がおきても、女性の更年期のように測定不能域まで下がることはまずありません。また男性の体の中では女性ホルモンが男性ホルモンから作られていますので、女性ホルモンが枯渇してしまうこともありません。これが男性に骨粗鬆が少ない理由の一つです。
次回は骨粗鬆症を予防するための方法についてお伝えします。