骨密度測定とは一体何を測定するための検査であるかご存知でしょうか。一般的に行われている骨密度測定では、骨塩量(骨量)を調べています。骨塩量とは、リン酸カルシウムを中心とした骨に多く含まれるミネラル成分のことです。では骨とはこうしたミネラルだけでできているのでしょうか? もちろんそのようなことはありません。
骨はミネラル成分のほかに、コラーゲン繊維を中心としたタンパク質成分によって作られています。良い例えがあります。鉄筋コンクリートを思い出してください。鉄筋コンクリートは、コンクリートの中に鉄筋を入れることによって構造物の強度を高めています。骨も全く同じで、ミネラル成分の骨塩の中にコラーゲン繊維が作られることによって、強度が保たれています。もしもコラーゲン繊維が十分になければ、コンクリートだけの構造物が簡単に崩れてしまうように、骨も折れやすくなってしまいます。
骨密度測定では問題ないと言われたのに骨折しやすくなってしまったという方は、骨の中のタンパク質であるコラーゲン繊維の劣化が始まっているかもしれません。十分にコラーゲン繊維があるのに、骨が折れやすくなる現象も知られています。
この場合にはコラーゲン繊維同士が病的にくっついてしまい、コラーゲン繊維の弾力性が失われてしまっていることが原因と考えられています。こうした現象は、ビタミンB群の不足から起きる高ホモシスティン血症や糖とタンパク質が反応して起きる糖化現象によってもたらされると言われています。
骨はミネラル成分だけでなくタンパク質によってその構造が維持されています。日頃からタンパク質補充に心がけるだけでなく、ビタミンB群の補充にも心がけたいものです。