本日はビタミンB1(サイアミンまたはチアミン)についてお話しします。
B1は、細胞のエネルギーであるATPを作り出すために必須の栄養素です。B1が不足すると細胞内のエネルギーが不足してしまい、細胞が十分に機能しなくなります。具体的には、全身のだるさや不調、神経の痛みが出やすくなるだけでな、心臓の筋肉の障害も起きます、当然のことながら思考能力も低下してしまいます。江戸わずらいは、まさにこの状態であったと想像できます。 B1不足の原因として次の3つが知られています。
第1は摂取不足です。偏った栄養素の食事ではB1不足になるリスクが上がります。
第2は、必要以上にB1が消耗されてしまう状態です。これは、甘いものや炭水化物の取りすぎ、お酒の飲み過ぎなど、いわゆる不摂生から生まれる状態です。江戸わずらいは、これらのふたつの原因が重なっていたと考えられます。
第3の原因は、B1の過剰排泄によるものです。これは利尿剤など医薬品の副作用によって起きる可能性が高いものです。透析では大量の水溶性ビタミンが失われていることが知られています。
ビタミンB1を多く含む食品は豆類や木ノ実(ナッツ)、糠、全粒粉の小麦などです。肉類では豚肉に多く含まれます。森のチーズと呼ばれるアボガドもB1を多く含んでいる他、ビール酵母など発酵食品もビタミンB1の供給源です。 疲労感を強く感じている場合には、ビタミンB1不足を疑い、補給されることをお勧めします。