糖質制限の是非

どの程度の糖質を摂取すべきなのか? 議論の多いところです。糖尿病の予防や治療の場合には、血液検査の数値を頼りにおおよその糖質摂取量を決めることが可能です。夕食時に糖質量の多い食事をとると、翌朝の空腹時血糖値が跳ね上がることは、外来でもよく見かける現象です。 それでは糖尿病ではない人の場合には、糖質制限をどのように考えればよいのでしょうか。

もちろん糖質制限をすれば短期的には減量に成功し、血液脂質データの改善などが見られますが、長期的にみて健康を害することはないのか? この疑問に対する一つの答えが、ハーバード大学の研究から見えてきます。

この研究では、約15,000名の男女を対象に平均25年間のフォローアップを行い、食事の内容と生命予後との関係について調べています。その結果、調査期間中に6283名が死亡されていますが、炭水化物摂取量と死亡率との関係は、総カロリーで50-55%の炭水化物を摂取していた群でもっとも死亡率が低い傾向が見られました。

これは一日摂取カロリーが2000kcalの場合、250-275gの炭水化物摂取です。炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質ですので、糖質として計算すると、1日あたり200-250gの摂取量ということになります。 この研究結果からすると、極端な糖質制限や、過剰な糖質摂取は、生命予後にとってはあまり好ましいものではないようです。

必要な糖質量は運動量などによっても異なりますので、自分にとってどの程度の糖質量が理想的であるのか、体重測定や血液検査などから判断することが重要です。

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