マグシウムは現代人に不足しやすい代表的なミネラルの一つです。その働きは、動脈硬化予防、高血圧対策、便秘予防、筋肉痙攣予防など、様々なものがあります。
こうしたマグネシウムの効用のなかでも近年注目されているものが、糖尿病対策です。 空腹時血糖値の上昇は、糖尿病の始まりとも言われ、健康診断では必ずチェックしたい重要な検査項目です。マグネシウムには、この血糖値の上昇を抑える働きがあることがわかってきました。
マグネシウムが血糖値を下げるメカニズムは、インスリンの抵抗性を低下させることにあるようです。 インスリンの抵抗性とは、一定量のインスリンが血糖値を下げる能力の低下を表す指標です。インスリン抵抗性が高いということは、血糖値が上がりやすく、糖尿病になるリスクが高くなることを意味します。すなわちインスリンの抵抗性が高くなるということは、インスリンの働きが悪くなることを意味します。
糖質の取りすぎや、運動不足が長く続くと、インスリンの抵抗性が上昇して、徐々に血糖値が上昇する傾向になります。 2018年に発表された研究では、マグネシウムにはこうした弊害を防ぐ働きがあることが明らかにされました。この研究では40名の糖尿病患者を対象として、マグネシウムを1日あたり250mg服用する群と服用しない群に分けて3ヶ月間に渡り経過を観察しています。 その結果、マグネシウムを服用したグループでは、糖尿病の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)が0.36減少しました。またインスリンの抵抗性を示すHOMA-IRが、28%も減少しました。
インスリンは老化を進めるホルモンですので、空腹時のインスリン濃度は低いほど健康状態が良いとされます。HOMA-IR値が下がることは、空腹時のインスリン濃度が低下していることを意味しますので、より良い健康状態になっていると言えます。
糖尿病は現代の疫病ともいわれ、糖尿病予備軍まで含めると全人口の30%程度が罹患していると考えられています。糖尿病の怖いところは、3大合併症である、神経障害、網膜障害による視力低下、腎機能障害が起きることです。
写真の食材はどれもマグネシウムが豊富に含まれています。
積極的にマグネシウムの補充をして糖尿病を予防したいものです。