季節は春から早くも夏の陽気になりました。
新緑の季節、戸外活動に最も適した季節です。
しかし今年は外出自粛ということもあり、室内に籠っている方が多いと思います。
しかし天気の良い日には、1日あたり30分でも良いので、
外に出て、日光浴をされることをお勧めします。
日光浴が健康に良いということは、
1840年ごろから医療の世界でも注目されるようになり、
特に結核感染が広がった時には、サナトリウムと呼ばれる結核療養施設で、
一定時間の日光浴をすることが治療の一環として採用されていました。
なぜ日光浴をすると結核の治療効果が上がるのか、
そのメカニズムは長年よく理解されていませんでしたが、
2006年にようやくのその理由が解明されました。
日光浴をすると皮膚内でビタミンDが作られます。
このビタミンDが免疫細胞の一種であるマクロファージに作用すると、
カテリジンというタンパク質が作られ、
これが結核菌の増殖を抑えることが報告されました。
2000年以降、ビタミンDの作用についての基礎的研究は盛んに行われ、
現在ではビタミンDには免疫調整作用があることが、ほぼ確実となっています。
免疫調整とは、免疫機能が暴走するのを防ぐコントール機能とも言えます。
COVID-19感染症では、
サイトカインストームによって呼吸器感染症状が重篤化するとされています。
これは免疫細胞の暴走状態を示す状態です。ビタミンD濃度が高いほど、
COVID-19感染症が重症化しにくいことも、世界各国から報告されており、
ビタミンDの持つ免疫調整作用に注目が集まっています。
夏の太陽であれば、半袖半ズボンで、30分間の日光浴を週に3日行えば、
最低限のビタミンD補充ができると言われています。
是非とも戸外で日光浴をされることをお勧めします。
目次