中高年になると必ず話題になることが、人間ドックの結果です。いわゆる生活習慣病とされる、糖尿病、高血圧、高脂血症は、3種の神器ならぬ、3種のチェック項目になっています。
高脂血症とは、LDLコレステロールや中性脂肪の値が高くなった病態です。こうした病名がつくとほとんどの場合、医薬品の投与が始まります。コレステロール降下剤の中で最も汎用されているものに、スタチン製剤があります。
スタチン製剤は肝臓に働き、コレステロールを作る酵素の働きを阻害します。その結果コレステロール値は、驚くほど下がります。数ある医薬品の中で、スタチン製剤ほどデータの変化をもたらすものはないかもしれません。
しかしここに注意点があります。コレステロールが下がっているということは、同じ酵素の働きで作られている、コエンザイムQ10も産生できなくなっていることを意味します。コエンザイムQ10は、細胞のエネルギーであるATPを作るための部品であり、かつ抗酸化作用をもつ錆止めでもあります。
スタチン製剤の服用を始めると、筋肉痛などの副作用が起きることも珍しくはありません。この理由として、コエンザイムQ10の減少が考えられています。この理論を裏付けるような論文も近年発表されています。この研究は、スタチン製剤を服用するときにサプリメントとしてコエンザイムQ10を100mg、合わせて服用すると、筋肉障害に伴って現れる症状を軽減できることを明らかにしています。(下図)
スタチン製剤をどうしても服用しなくてはいけない方は、コエンザイムQ10も一緒に服用することをお勧めします。