ビタミンDの効用については数多くのレポートがありますが、大腸がん予防についての新たな研究発表がありました。この論文では、ビタミンDを多く含む食品を食べることで、50歳未満の女性の大腸がんのリスクを減らすことができると述べています。
この研究では、約20年に渡り対象者を調査した結果、1日あたり450IU以上のビタミンDを食事から摂取している人と300IU未満しか摂取していない人とを比較した場合、十分量のビタミンDを摂取していた群では大腸がんになるリスクが49%に減少していたということです。この傾向は、サプリメントからビタミンDを補充することよりも、食事からビタミンDを摂取することによってより効果が大きいことも確認されています。
ビタミンDを多く含む食品の代表的なものは、鮭などの魚類です。塩サケ一人前、約100gに含まれるビタミンD3の量は、約1500IUです。この研究では1日あたり450IUのビタミンD摂取で大腸がんの予防効果があるとしていますので、この目的のためには、週に2〜3回を目安に塩サケを食べることで十分かもしれません。
ビタミンDは同じ量を食べても、その人の肥満度や肝臓の機能によって血中濃度が大きく変化します。肥満の人では、脂肪細胞にビタミンDが溶け込んでしまうために、血中濃度を高く維持するためには、より多くのビタミンDを摂取する必要があります。肝機能障害がある場合にも、ビタミンDの代謝が効率的に進まないため多めの量のビタミンDを取らなくてはいけません。ビタミンDを多く含む食品を日常的に食べる習慣を作りたいものです。