厄介な頭痛に悩まされている方も少なくありません。特に若年女性では、月経サイクルに伴う頭痛や鉄欠乏性貧血に伴う頭痛が多く見られます。こうした女性では閉経を迎えるとともに頭痛から解放される方もいるようですが、それまで待つというわけにも行きません。少しでも早く治したいのが頭痛です。
こうした頭痛対策として、栄養サプリメントが有効であることが知られていますが、最近の研究でも、いくつかの栄養成分が、偏頭痛対策として有効であることが報告されています。
偏頭痛の原因には、炎症性、血管性、神経性などいくつかの原因が考えられていますが、成人の約1割程度に見られる病態と言われています。その病態をさらに検証すると、細胞のエネルギーを産生するミトコンドリアの機能障害が隠れている可能性も指摘されています。
著者らが推奨する栄養素は、以下のものです。
- ビタミンB群
- マグネシウム
- コエンザイムQ-10
- ビタミンD
- オメガ3脂肪酸
ビタミンB群、マグネシウム、COQ-10は、いずれもミトコンドリア機能の維持に欠かすことのできない栄養素です。ある研究では、ビタミンB2(リボフラビン)を一日400mgを3ヶ月間服用することにより、偏頭痛の発生頻度が50%以上減少したことが報告されています。ビタミンDやオメガ3脂肪酸には、炎症反応を抑える効果が期待できます。血中ビタミンD濃度が 5 ng/mL 上昇するごとに偏頭痛の発生率が22%減少するというレポートもあります。
COQ-10は加齢に伴い減少する栄養素ですので40歳以降の年齢の方で補給をすることで効果が大きいと思われます。若年者の場合には、普段の食生活を振り返って、マグネシウム、ビタミンD、オメガ3脂肪酸の補充を考慮すると、効果的な頭痛対策になるはずです。