4月3日に行いましたWeb講演では、300名以上のご参加をいただき、誠にありがとうございました。前半部分はCBD oilの製造販売会社であるEndoca社より、製造工程の詳細などについてのプレゼンテーションがありました。大量生産、多量販売ではない経営方針、自然との共存を目指す企業理念に基づいた会社であることがよくわかりました。(CBD:cannabidiol)
CBD oilに対する社会の関心も徐々に増えつつあるようです。特に若年層では、大麻成分という言葉の響きもあるのでしょうか、関心度が高いようです。気になることは、若年層ではベイプといって吸入する形でCBD oil を使用することが多いことです。加熱によってCBD oilの内容も変化しますので、どのような健康被害が起きるのか明らかにされていないことを忘れてはいけません。
依存性をもたらすTHC(Tetra hydro cannabinol)の使用は、わが国では法律で禁止されていますので、市場に出ているCBD製品には、THCは含まれていません。CBD oilの持つ効果については、下図のように様々なものが報告されています。臨床的に注目されている効果としては、やはり疼痛緩和が一番だと思います。
CBD oilの副作用として注意すべきことは、大量に摂取した場合の肝機能障害です。どの程度摂取すれば肝臓に負担がかかるのか、個人差もありますが、1日あたり50mg程度のCBDの摂取であれば、重篤な肝機能障害は見られていないことが、最近の研究結果で明らかにされています。
難治性の疼痛、不眠症、不安症状など、現代医療による治療が困難な場合には、CBD oilを試してみる価値はあると考えます。摂取する場合には、肝機能障害などの副作用を避けるためにも適量服用をお勧めします。