2022年のお盆がやって来ます。
お盆とは、ご先祖の霊が帰ってくる特別な期間。迎え火や送り火の習慣はこれに基づいたものです。
祖霊崇拝の歴史はとても古いもので、仏教伝来以前の古墳時代以前にまで遡るとも言われています。さらに最近の研究では、縄文時代の集落に、明らかにご遺体を祀ったと思われる遺跡も見つかっているようです。わが国では、神道、道教、儒教、仏教の影響により祖霊崇拝の形が作られているとされています。海外でも洋の東西を問わず、様々な民族に祖霊崇拝の歴史が確認されています。
先日拝聴させていただいた、大阪大学教授 湯浅邦弘先生のご講演では、現在も大切に受け継がれている孔子廟のお話を伺い、大変感銘を受けました。今年は孔子没後2500年という節目の年にあたるようですが、数々の歴史を経て、広大な敷地に広がる現代に残る孔子廟の風景は、想像をはるかに超える壮大なものでした。
祖霊崇拝は人類始まって以来の古典的な信仰の形かもしれません。 今ある自分の存在は、先祖の存在なくては有り得ません。祖霊崇拝は自分の存在の礎である御祖先に対する感謝の思いに基づくものです。家系図をたどることにより、今ある自分自身が、多くの御祖先の力によって生かされていることを感じることができます。
英語圏では家系図をファミリーツリーと呼びます。一人一人、ファミリーツリーのメンバーを確認することが、本人自身のヒーリングに繋がるという考え方もあります。お盆は、心静かに亡きご先祖のことに思いを馳せる大切な時期だと思います。