砂糖の弊害を避けるために、人工甘味料をとることを考える人も多いと思います。しかし人工甘味料を摂取することは、心臓血管疾患のリスクを増やしてしまう可能性があることが、最新の研究で報告されています。
この研究はフランスからのもので、約10万人を対象として、2009〜2021年にわたり、人口甘味料摂取量と心臓血管疾患発生との関係について調べています。人工甘味料として、多くの清涼飲料水や卓上甘味料として利用されている、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースの3種を取り上げています。
心臓血管疾患についてみると、人工甘味料摂取はリスクが1.09倍上昇することがわかりました。さらに脳血管病変についてみると、そのリスクは1.18倍に増えていました。それぞれの甘味料についてのリスクは以下のようになっていました。
同じ研究者らによる別の研究では、人工甘味料摂取が発ガン率の上昇につながることが明らかにされています。この研究も前述の研究と同様に約10万人を対象としたもので、人工甘味料摂取者では、がんを発症するリスクが1.13倍に増加していたということです。2種の甘味料について見てみると発がんのリスクが増える率は以下のようでした。
これらの結果からすると、人工甘味料摂取は心臓血管疾患や発がんのリスクを高める可能性があると言えます。砂糖の弊害を避ける目的で人工甘味料に頼ることは新たな疾病のリスクを増やすことになりそうです。