テレビ視聴時間と糖尿病

テレビの前に座って1日の多くの時間を過ごすことは、様々な健康障害をもたらしますが、日本人の研究者らによる報告では、糖尿病のリスクが増えることがあきらかにされています。

この研究では、年齢が40〜79歳の約2.5万人の男女(男性 9,786 人、女性 15,454 人)について5年間の追跡調査を行なっています。調査期間中に新規に糖尿病と診断された方が、778名(男性 397 人、女性 381 人)いました。

これらの対象者で、テレビの視聴時間と2 型糖尿病リスクとの関係についてみると、統計学的に有意な正の相関がありました。すなわち、テレビの視聴時間が長いほど糖尿病になる危険性が増すということです。

さらにテレビを見る時間が、1日あたり5時間以上のグループと2時間未満のグループとを比較すると、5時間以上のグループでは、糖尿病にかかるリスクが女性で1.5倍、男性で1.1倍に増加していました。

一方、対象者の日常生活における歩行時間と糖尿病罹患リスクとの関係は負の相関があり、歩行時間が長いほど糖尿病になりにくいことが明らかにされました。

さらに別の研究では、テレビの視聴時間が長いほど、脳の灰白質のボリュームが減少することが報告されています。灰白質とは脳神経細胞が存在する場所ですので、テレビの視聴は脳神経細胞の喪失を招いているのかもしれません。

年末年始は、テレビの前で過ごす時間も長くなる方も多いと思います。テレビを視聴した時間と同じくらい、身体運動を行うことを習慣にしたいものです。

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