納豆に含まれるナットウキナーゼには、血栓溶解作用があることが知られていますが、最新の研究では、COVID-19感染で問題となるスパイクタンパクを分解する働きがあることが報告されています。この研究は日本の研究機関からのもので、基礎研究によるものです。
新型コロナウィルス感染の特徴は、ウィルスの表面にあるスパイクタンパクが微小血管の内膜を損傷し、血栓を作ることです。ナットウキナーゼには、血栓を作るフィブリノーゲンというタンパク質を直接分解する働きと血栓を溶解するプラスミノーゲンを誘導することによって血栓を溶解させるという二つの働きがあります。
しかし、今回の研究で明らかにされたことは、血栓溶解作用ではなく、血栓を作る原因と言われているスパイクタンパクを分解する働きです。基礎実験の結果ですので、臨床にそのまま反映されるか否かは未知数です。しかし、COVID-19感染予防にとって大きな可能性を示唆しています。
一方大豆には、タンパク分解酵素であるトリプシンの働きを阻害する、トリプシンインヒビターという物質が含まれます。このため大豆製品の取りすぎは、トリプシンを産生する膵臓にとって負担となることが動物実験で確認されています。しかし、加熱された大豆では、トリプシンインヒビターの活性が弱くなっていますので、通常の量を食べている場合には神経質になる必要はありません。
日本は、世界でも稀に見る発酵食品王国です。その中でも最も健康効果が高いとされる納豆を日常食として活用したいものです。