今年の花粉飛散量は平年の４倍以上とも言われています。先日訪れた山梨県の山中はスギ花粉の飛散で色が変わって見えました。これまで目にしたことがない光景でした。私自身、生まれて初めて軽い花粉症の症状を経験したほどです。花粉症予防対策として様々なものが推奨されていますが、本日の話題はポリフェノールの一種であるケルセチンを服用することで花粉症の症状が緩和されるというものです。
この研究は、目や鼻の不快感を訴える日本人成人を対象に、ケルセチン含有サプリメントを４週間服用することがどのような効果があるのかを調べています。ランダム化、プラセボ対照、二重盲検の並列群間比較試験を行い、アレルギー症状を持つ66人の被験者（22-78歳）にケルセチン200mg含有製品、またはコントロール製品を4週間にわたり毎日服用してもらって、それぞれの製品による体調の変化を比較しています。
花粉症の症状の程度については、日本鼻結膜炎QOL質問紙（JRQLQ）スコアなどの検査を行っています。その結果、製品摂取開始後1〜4週間において、目のかゆみ、くしゃみ、鼻汁、睡眠障害などのアレルギー症状を含むJRQLQのいくつかのスコアが、クエルセチン含有サプリメント群でプラセボ群よりも有意に改善されました。さらに、オリジナルの質問紙と視覚的アナログスケールの解析では、ケルセチンを服用した被験者の生活の質も有意に改善されていたことがわかりました。
これらのことから、著者らはケルセチン含有サプリメントの経口摂取が、花粉症に起因する一部のアレルギー症状を軽減する可能性があると述べています。
ケルセチンは、果実や野菜類に含まれるポリフェノールの一種であり、強い抗酸化作用や免疫増強作用があることが知られています。代表的な食品としては、タマネギや長ネギ類があります。昔から風邪をひいたらオニオンスープという民間伝承があるように、ネギに含まれるケルセチンには、体調を整えてくれる働きがあることが知られていたようです。花粉症対策としても、ケルセチンを含有する食品を積極的に摂ることは症状の緩和につながると思います。
