外来でよく出る話題は、「どの程度歩けば良いでしょうか?」「毎日8000歩、歩かねばならないのですか?」といった質問です。毎日1万歩を歩いている方も多くいらっしゃいますが、1万歩を歩くためには90分ほど時間がかかりますので、誰でもできる運動習慣とは言えません。健康管理のために、どの程度歩けば良いのか? つい先日に、こうした疑問に答えてくれる、最新の研究が公表されました。
毎日8000歩以上歩くことが死亡率の低下につながるという報告はこれまでにもあったようですが、8000歩以上歩ける日数が毎日でなければならないのか。これに対する検証が、今回の研究です。対象は、20歳以上の約3000名の男女。約10年間にわたりフォローアップし、対象を8000歩以上歩く日数によって以下の3群に分けて、死亡率との関係を調べています。
8000歩以上歩く日が
A: 1日もない …………… 632人(20.4%)
B: 週に1~2日 …………… 532人(17.2%)
C: 週に3~7日 …………… 1937人(62.5%)
その結果、調査期間中に死亡したものが、439人(14.2%)いました。死亡するリスクについて調べてみると、A群と比較して、B群は-14.9%、C群は-16.35%でありB,C群は有意に死亡率が減少していました。しかし、BとC群間には差がありませんでした。さらに1日の歩数の閾値を6000歩から10000歩の間で変えても、同様の結果が得られたということです。
これらの結果から8000歩以上歩く日を 少なくとも週に2~3日維持することが、死亡率低下には有効と言えそうです。別の見方をすれば、毎日歩くことにこだわる必要はないのかもしれません。季節も良くなってきました。健康管理のためにも、屋外を歩く日数を少しでも増やしたいものです。
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