マルチビタミン・ミネラル (MVM)を毎日服用する習慣は、高齢者の記憶力低下を予防し、認知機能の低下を遅らせるのに役立つことが、臨床研究によって明らかにされました。この内容はAmerican Journal of Clinical Nutrition誌に報告されています。
対象は約3500名の高齢者。男性は60歳以上、女性は65歳以上が高齢者の定義となっています。さらに心筋梗塞や発癌の既往歴がないことが対象者の条件です。
対象者をMVMを毎日服用する群とプラセボを服用する群の二つに分けて、1年ごとに記憶力テストを行い、3年間のフォローアップを行なっています。その結果は下図に示すように、1年後から有意に記憶力低下の減少が見られ、その傾向は3年後にはより顕著となっていました。
MVMの詳細な内容についての記載がないため、本研究ではどの成分が脳の機能低下を遅らせているかについては不明ですが、MVMのもたらす健康効果については数々の報告があります。ポイントはビタミンとミネラル類を合わせて摂取することにあります。栄養素は単独で働くものではなく、チームワークとして連携して働くものと考えるとわかりやすいと思います。
サプリメント摂取の基本は、MVMにあります。これに加えてビタミンD3、オメガ3脂肪酸、さらに抗酸化成分やホルモンサポート、デトックスの製品を加えることができれば理想的です。各栄養素の過不足は、血液検査やミネラル成分検査などによって確認をすることが推奨されています。少しずつでも良いので、MVMの摂取を習慣にすることをお勧めします。