成人の糖尿病患者において、ビタミンC（VC）不足が健康リスクを増悪させるといわれています。この主張の真偽に関する研究論文が、2022年に発表されています。
この研究では、1999年から2018年までのデータベースから得られた情報を元に、2型糖尿病患者6807人と1型糖尿病患者428人に関するデータが分析されました。具体的には、VCの摂取量、血清VC濃度、空腹時血糖値、A1c値などが調査されました。
調査の結果、VC摂取量が一日に必要な量を下回る人々の割合が1999年から2018年の間に増加し、38.1%から46.5%に上昇しました。さらに、VCの摂取量と血清VC濃度は、空腹時血糖値とA1c値と逆の関連が見られました。つまり、VCの摂取量が不足している場合、糖尿病関連の数値が悪化する傾向がありました。
2型糖尿病のリスクについても調査され、VC摂取量が一日に必要な量を満たさない成人と、VCサプリメントを摂取しない成人では、2型糖尿病のリスクが約20%増加していることが示されました。さらに、血清VC濃度が低い糖尿病患者の生存期間は、血清VCが正常な糖尿病患者よりも短いことも示されました。VCの摂取量が不足し、血清VC濃度が低い場合、2型糖尿病患者の死亡リスクは約25%増加する可能性も示されました。
これらの結果から、1日に500〜1000mgのVCを摂取することが、糖尿病予備軍や糖尿病患者にとって有益であると研究著者は述べています。
人類はVCを体内で生成することができない特異な存在です。ゴリラの研究からも、1日に3〜5gのVCを木の葉から摂取することが分かっています。新鮮な野菜や果物を摂らない場合、VCの摂取量が十分ではなくなる可能性があります。この研究でも述べられているように、1〜2gのVCを摂取することは健康維持にとって重要です。
