オメガ3脂肪酸で肺疾患予防

近年では、呼吸器疾患、中でも間質性肺炎の増加などが懸念されています。呼吸器疾患に対する効果的な治療薬は限られているために、罹患しないように予防することが極めて重要になります。

こうした背景の中、最新の研究では、オメガ3脂肪酸に呼吸器疾患の予防効果が期待できると報告されています。この研究では、15,063人を対象にオメガ-3脂肪酸濃度と肺機能との関係について調べています。その結果、オメガ3脂肪酸の中でもドコサヘキサエン酸(DHA)が増えると呼吸機能の低下を防ぐ効果が大きいことが明らかにされています。

具体的には、DHAが全脂肪酸の1%増加すると、FEV1が1.4ml/年、FVCが2.0ml/年減少し、これは通常の減少率よりも低い傾向にありました。また呼吸機能検査であるスパイロメトリーで定義された気道閉塞の発生率が7%低下していました。さらにメンデルランダム化(MR)研究と呼ばれる、遺伝子解析を取り入れた統計学的解析でも、オメガ3脂肪酸中でもDHAが増えると呼吸機能の低下を防ぐ傾向が確認されていました。

EPA,DHAは、代表的なオメガ3脂肪酸です。普段の食生活が西洋料理に偏っている方や、青魚が嫌いな方では、補給が難しいため血液中の濃度が下がる傾向があります。植物由来のオメガ3脂肪酸であるαリノレン酸を含む亜麻仁油も推奨されていますが、体内でEPAやDHAにまで代謝されていない方も多いようです。やはり魚を食べるか、サプリメントの形でEPA,DHAを補うことが理想です。最近では、医薬品でもEPAやDHAに近い成分を含むものも販売されていますので、担当医に相談されることをお勧めします。

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