赤ワインで頭痛?

年の瀬となり、飲酒の機会も増えてくる時節となりました。アルコール飲料にもさまざまなものがありますが、赤ワインにはポリフェノールの一種であるレスベラトロールが含まれていることもあり、人気のアルコール飲料の一つです。

しかし、赤ワインを飲むと体調不良を訴える人がいることも事実です。中でも赤ワインを飲んだ後に起きる頭痛は、赤ワイン頭痛として知られていますが、その原因としては、赤ワインに含まれる保存料である硫酸塩の影響、またはタンニンやヒスタミン原因説などさまざまなものが指摘されています。しかし先月発表された研究報告では、赤ワイン頭痛のメカニズムについて一つの新しい仮説が提示されています。

この研究によると、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であるケルセチンが赤ワイン頭痛の原因となっている可能性があるということです。アルコールは、肝臓で代謝されてアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸へと変化します。アセトアルデヒドを酢酸に変化させる酵素、ALDH2には多くのサブタイプがあり、その中にはケルセチン誘導体と反応して酵素活性が低下してしまうものがあるということです。

こうした体質を持つ人では、赤ワインを飲むとアセトアルデヒドが代謝されずに体内に停留するため、頭痛や吐き気に悩まされることになるということです。楽しい年末の飲み会が増えると思いますが、赤ワインを飲むと頭痛が起きる方の体内ではこうした反応が起きているのかもしれません。こうした反応はごく少量の赤ワインを飲んだ場合でも起きてしまうもののようですので、体質的に合わないと感じている方は赤ワインを避けた方が賢明のようです。

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