尿酸は身体を酸化ストレスから守ってくれる大切な抗酸化作用を持つ代謝物です。しかし、その血中濃度が上昇すると結晶構造を作るために関節炎の原因となり、広く知られている痛風を引き起こします。痛風を予防するためには、血中に尿酸を増やさないような生活習慣を維持することが必要ですが、言うは安く、行うは難し。なかなか上手く行かないのが人間の性でしょうか。その理由は、飲酒や肉類などの美食によって尿酸が増えやすくなることがあげられます。
尿酸を増やさないための具体的な生活習慣とはどのようなものでしょうか。そのヒントを与えてくれる論文が発表されています。この研究では、食品中の抗酸化物質の総量を指数化した、複合食事性抗酸化指数(CDAI)と痛風発作との関係について調べています。
対象は20歳以上の26,117名の米国籍男女。女性が50.2%、40,50代の年齢層が33.4%を占めています。調査期間中、4.7%にあたる1232名が痛風発作をおこしていますが、CDAI値が最も高い群は、最も低い群と比較して痛風発作を起こすリスクが35%減少していたことがわかりました。すなわち抗酸化成分の多い食品を食べていることが、尿酸を上げず、痛風発作とも無縁になる可能性が高いということです。
抗酸化作用のある食品の代表は、緑黄色野菜です。緑黄色野菜には、ベータカロテンなど様々なポリフェノール類やビタミンEなどが含まれており、身体が酸化されることを防いでくれます。新鮮な野菜類に含まれるビタミンCも抗酸化作用を持つ栄養素の代表格です。痛風発作予防のためにもこうした野菜類を積極的に摂りたいものです。