この度、ドキュメンタリー映画、「夢見る子供たち」のお手伝いをさせていただきました。私は栄養療法に携わる医師の立場から、有機農法による食品が健康面でどのような利点をもたらしてくれるのかについてコメントしております。
1970年代の高度経済成長によって、我が国は物質的に豊かにはなりましたが、その一方で化学的農法によって土壌の質を劣化させてしまったことはあまり知られていなません。その結果、同じ野菜類でも含まれる栄養素、特にミネラル成分が減少してしまい半世紀前の野菜とは大きく異なるものになってしまっています。このような土壌から生まれる野菜類を食べ続けることは健康面で大きな問題となります。
こうした時代背景の中、子供達の給食の内容をもっと健康に即したものに変えようという草の根運動が始まっています。中でも有機農法による食品素材で給食を作ることで、子供達の健康を守ろうという潮流をまとめたものが今回のドキュメンタリー映画です。
「子供は国の宝」子供達の将来を考えた行動をとることは大人である我々の責務です。ところがいつからか、「ファーストフードの味を子供に教えれば、彼らはそれを一生食べ続けるものだ。」などという、人の道から外れた経営者も登場する世の中になり、そろばん勘定優先、子供の健康は二の次になっているようです。
「地球は祖先から譲り受けたものではなく、未来の子供達から借りているのだ」
ネイティブアメリカンの素晴らしい言葉です。是非ともこのドキュメンタリーをご覧いただき、次世代の子供達の健康を食から支えることを応援していただければ幸いです。