DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、身体のさまざまな機能に影響を与えます。主な働きは以下のようなものです。
- 性ホルモンの前駆体: DHEAは、エストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンの合成に重要な役割を果たします。副腎でDHEAが産生され、それが性腺や他の組織に輸送され、そこで必要な性ホルモンに変換されます。このため、DHEAのレベルが適切でない場合、性ホルモンのバランスが乱れる可能性があります。更年期以降の女性では、DHEA、男性ホルモン、女性ホルモンの3つのホルモンが枯渇する傾向があります。
- 免疫機能の調節: DHEAは免疫系にも影響を与えます。特に、免疫細胞の活性化や炎症反応の調節に関与しています。適切なDHEAレベルが免疫機能の正常な機能に重要であると考えられています。感染予防、自己免疫疾患の予防にとってDHEAは重要な働きをしています。
- 骨粗鬆症対策:DHEAは、骨を作る細胞を刺激する男性ホルモン、骨から骨基質が溶出するのを防ぐ女性ホルモンを維持することで、骨粗鬆症を予防する働きがあります。DHEAそれ自体にも骨形成を促進させる働きがあります。また筋肉を増やす働きがあり、その結果として骨が丈夫になると考えられます。
- ストレスホルモンとの関連: DHEAはコルチゾールと密接に関連しており、ストレス応答において役割を果たします。ストレスが継続すると、副腎が過剰にコルチゾールを分泌し、それに応じてDHEAの分泌が低下することがあります。
- 加齢と関連した変化: 年齢とともに、DHEAのレベルは減少します。これは、加齢に伴うさまざまな生理学的変化と関連しており、特にエネルギー、筋力、性機能などに影響を与える可能性があります。
加齢や副腎機能の低下などの理由で、血中のDHEAレベルが低下した場合には、サプリメントの形でDHEAを補充することが賢明な選択です。DHEAサプリメントは、ヤムイモを原料として作られています。ヤムイモにはディオスゲニンと呼ばれる成分が含まれており、これは人体内でDHEAに変換されることが知られています。
DHEAのサプリメントは、日本国内では市販されていませんので、専門医からの処方を受けるか、海外からの個人輸入を行う必要があります。DHEAはステロイドホルモンの一種ですので、その使用にあたっては、医師の指導のもと慎重に行ってください。