卵を食べることが、骨粗鬆を予防する可能性があることを指摘した研究成果が発表されています。この研究は、米国の約1.9万人を対象に、卵の摂取量と骨密度(BMD)との関係について調べたものです。その結果、1日あたり約100gの卵(Mサイズ2個)を食べている人では、大腿骨と腰椎のBMD値が有意に高くなっていることがわかりました。
骨密度を上げるには、ビタミンDやカルシウムの摂取が必要であることは知られていますが、カルシウムなどのミネラルを骨という器官に作り上げるためには、良質なタンパク質が欠かせません。しかし、高齢者では、消化力が弱くなることや食事摂取量も減少することから、タンパク質不足になる傾向は否定できません。
卵は完全栄養食とも呼ばれ、3大栄養素の中でもタンパク質を構成するアミノ酸の質と量のバランスは最高のものであることが知られています。卵黄部分には、コリンやコレステロール、またビオチンやビタミンAなどの他、ルテインなどの抗酸化成分が含まれています。最近は鶏の餌にビタミンD を添加した栄養強化型の卵も市場には出ています。
しかし、卵を食べると血液検査でコレステロール値が上がるので、避けるように指示されている方も多いようです。こうした方々には朗報です。最新の研究でも卵を食べることは血液中のコレステロール値、中でも悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値を上げないことが報告されています。
しかし卵を食べることには注意が必要な方がいることも事実です。それは卵に対するアレルギーを持つ方です。最新の検査では、卵に対するアレルギー反応を調べることも可能になっていますので、かかりつけの医師にご相談されることをお勧めします。