ビタミンDでがん死亡減少

ビタミンDが欠乏すると様々な疾病に罹患することは広く知られていますが、最近の研究では、がんの死亡率を減少させる効果があることが報告されています。この研究はは、米国の国民健康栄養調査(2007-2018年)の2,463人の成人がん患者を対象に、ビタミンD濃度の指標として、血清25-ヒドロキシビタミンD濃度と全死因およびがん特異的死亡率との関連を調査しています。

調査期間の中央値は約6年間でしたが、この期間に567人の患者が死亡し、そのうち194人ががんによる死亡と確認されています。 これらの死亡者について、統計的に解析を行なっています。その内容は、人口統計特性、ライフスタイル、食事要因、25-ヒドロキシビタミンDテスト期間、およびがんの種類について調べています。

その結果、ビタミンD濃度が30 ng/mL以上である場合には、全死因およびがん特異的死亡率のリスクを有意に減少させました。 特にビタミンD濃度が32-40ng/mLの場合には、全死因死亡率が約40%減少、がん特異的死亡率は52%も減少していました。これらのことから著者らは、血中ビタミンD濃度を30-40 ng/mLのレベルに維持することががん患者の死亡率を減少させる可能性が高いと結論づけています。

下図は当院外来の初診時検査で見られたビタミンD濃度の分布です。約80%が血中濃度が30ng/mL未満の不足、欠乏状態にあり、30 ng/mL以上の方は20%程度しかいません。これは当院だけの特徴ではなく、日本人全体の傾向と考えて間違いありません。積極的なビタミンDの

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