緑茶には心血管疾患(CVD)の発症を予防する効果があることは知られていますが、過体重/肥満の2型糖尿病(T2D)患者においても、緑茶摂取がCVD発症予防効果があることが、最新の研究で明らかにされています。この研究では、4,756人の中国人の過体重/肥満T2D患者を対象とし、平均で6.3年間追跡調査を行っています。緑茶摂取に関する情報は、臨床試験開始時に面接による質問票を用いて収集しています。
その結果、緑茶を1日5g以上摂取する人は、非習慣的摂取者と比較して、心血管疾患(CVD)リスクが29%、脳卒中リスクが30%、冠動脈性心疾患(CHD)リスクが40%減少していました。また、40年以上緑茶を摂取している人は、CVDリスクが31%、脳卒中リスクが33%、CHDリスクが39%減少しました。さらに2型糖尿病(T2D)の罹患歴が5年未満の参加者では、緑茶の摂取が脳卒中リスクを約60%低下させる一方、T2D罹患歴が5年以上の参加者では、緑茶の摂取がCHDリスクを約50%低下させることが確認されています。
この研究は、健康リスクが極めて高いとされる、過体重かつ2型糖尿病を持つ患者を対象としています。こうした対象者であっても、緑茶を習慣的に飲用することは、心臓血管疾患リスクを大幅に減少させていたことがわかります。
緑茶には多くの健康効果があります。抗酸化物質であるカテキンが豊富で、体内のフリーラジカルを中和し、心血管疾患のリスクを減少させます。代謝を促進し、脂肪燃焼を助けるため、体重管理にも役立ちます。また、血糖値の調整、脳の機能改善、抗炎症作用、特定の癌予防、口腔衛生の改善、ストレスの軽減、免疫力の向上など、さまざまな効用があります。日常的に緑茶を摂取することで、これらの健康効果を得るようにしたいものです。