地中海料理は、魚、野菜、果物、ナッツ、オリーブオイル、全粒穀物を多く取り入れた食事で、健康寿命を延ばし、病気を予防する効果があるとされています。最近の研究では、地中海料理をよく食べる人でどのような健康効果があるのかについて調べています。
アメリカで行われたこの研究では、約25年間にわたり、25,315人の健康な女性を追跡調査しました。地中海料理を食べる頻度を9段階で評価し、分析したところ、地中海料理を頻繁に食べる人(スコア6~9)は、ほとんど食べない人(スコア0~3)に比べて死亡リスクが23%低いことがわかりました。この結果は、運動や喫煙など他の生活習慣の影響を調整しても変わらず、地中海料理が健康維持と長生きに重要な役割を果たすことが示されました。
さらに、血液の検査から、地中海料理が体の中でさまざまな良い変化をもたらすことも明らかになりました。特に、代謝を助ける「小分子代謝物」や、炎症を示す「バイオマーカー」が大きく関係し、それぞれ死亡リスクを15%と13%下げることがわかっています。また、血液中の中性脂肪、BMI(体格指数)、インスリンの働きも影響し、それぞれ約10%ずつ死亡率を下げていました。一方、血糖値や血圧、分枝鎖アミノ酸などの影響は比較的小さく、全体への影響は少なめでした。
このように、地中海料理は炎症を抑え、代謝を改善することで健康寿命を延ばす可能性があります。魚や野菜、果物、オリーブオイルを取り入れるだけで、健康を支え、長く元気に過ごす助けとなります。
「和食」も健康に良い食事として知られています。和食と地中海料理の共通点は、野菜を中心に、魚や鶏肉、豆類をタンパク源にしていることです。一方で、和食は塩分が多いという指摘もありますが、天然塩を適切に使えば問題は少ないと考えられます。