ココアフラバノールの効果

ココアフラバノールとは、カカオ豆に含まれるポリフェノールの一種であり、強い抗酸化症を持つ成分であり、血管機能の改善や抗酸化作用を通じて、健康にさまざまな良い影響を与えることが知られています。フラバノールは血管を拡張させる一酸化窒素(NO)の生成を促進し、血流を改善することで、血圧の調整や動脈硬化のリスク低減に寄与すると考えられています。また、活性酸素の抑制や炎症の軽減を助けることで、心血管疾患や糖尿病の予防にも役立つ可能性があります。

さらに、ココアフラバノールは脳の血流を改善し、認知機能の維持や向上に関与することが示唆されています。インスリン感受性を高め、血糖値のコントロールを助ける可能性もあるため、糖尿病予防への応用が期待されています。フラバノールを多く含む食品には、ダークチョコレートや非アルカリ処理のココアパウダー、カカオニブなどがあります。しかし、市販のチョコレートやココア飲料は加工の過程でフラバノールが失われることが多いため、「高フラバノール」表示のある製品を選ぶことが重要です。

このようなフラバノールの健康効果を検証するため、最近の研究では、ココア抽出物の補給が高齢者の心血管疾患(CVD)リスクを低下させるかを評価しました。米国の21,442名(65歳以上の女性12,666名、60歳以上の男性8,776名)を対象に、フラバノール500 mg/日を含むココア抽出物またはプラセボを摂取する群に無作為に分け、心筋梗塞、脳卒中、心血管死などの発生率を比較しました。その結果、約3.6年の追跡期間中、総心血管イベントの発生率に統計的な有意差はありませんでしたが、心臓血管死のリスクが27%低下する傾向が見られました。

チョコレートではカカオの含有率の高いものほど健康に良いとされていますが、高カカオでもココアフラバノールの濃度が低いものでは、健康効果はあまり期待できないかもしれません。美味しければ何でも良いではないかという声も聞こえてきそうですが、ご参考まで。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次