11月24日は毎年主催している勉強会を大手町で行いました。今年の講演内容は以下のようなものでした。(発表順、敬称略)
- The Cutting Edge of Anti-Aging Medical Practice
Allen Green,MD (The Center for Optimum Health) - 機能性栄養成分の健康効果 ~桑の葉、エクソソーム、AHCCの基礎研究を中心に~
若命浩二 (北海道科学大学 薬学部 応用薬学部門 薬理学分野 教授) - 新しい医師の役割 ~医師も産業を創る時代がやってきた~
坪田一男 (株式会社坪田ラボ 代表取締役社長) - 高血圧治療開始の科学的根拠は160/100以上です
大櫛陽一 (大櫛医学情報研究所 所長)
Green医師は米国のLAで統合医療クリニックを開業されている医師ですが、2015~2019年まで、ACAMという統合医療学会の会長を務めていました。私自身もACAMメンバーとなってから20年以上が経ちますが、米国では最も古い統合医療の学会の一つです。今回は、米国における抗加齢医療の最先端情報をお話ししてもらいました。その内容の要旨を下にまとめます。
老化は細胞が傷ついたり働きが悪くなったりすることで進み、これが病気や体力の低下につながります。ただし、適切な対策をとれば老化を遅らせ、健康的に長生きすることが可能です。
老化を遅らせるためには、運動やバランスの良い食事が効果的です。例えば、野菜や果物を中心とした食事や、魚やナッツなどを適度に取り入れることが推奨されます。また、運動は細胞の若さを保つのに役立ちます。最近では、サプリメント(例:抗酸化物質やスペルミジンなど)や特定の食材が細胞の老化防止に役立つと注目されています。
さらに、生活環境を整えたり、毒素を排出する習慣(キレーション治療など)を取り入れることも大切です。定期的に汗をかいたり、ストレスを減らすことで体調を整えることも、老化の速度を遅くすることにつながります。
長寿地域「ブルーゾーン」の研究では、家族や地域とのつながりを大切にすること、毎日体を動かすこと、食べ過ぎないことが健康で長生きする秘訣だと分かっています。これらを日々の生活に取り入れることで、年齢を重ねても元気に暮らすことができます。
これを飲めば100%若返るという魔法の薬や栄養素は、残念ながらまだ発見されていません。しかし、日常生活の習慣を改善し工夫することで体調を管理することが、結果的に健康長寿へとつながります。次回は、Green医師の外来内容についてお伝えします。