ビタミンKの話題もよく耳にするようになりました。ビタミンの名称は発見された年代順に決まりますので、「K」ということは、一番最後に発見されたビタミンになります。近年の研究では、ビタミンKには重要な働きがあることがわかってきました。その代表的なものが、動脈硬化予防と骨粗鬆症予防。ビタミンKは、我々の健康にとって極めて大切な働きをしています。
ビタミンKには、K1とK2の2種があります。このうち大きな健康効果が期待できるものは、K2になります。食品ではチーズや納豆に多く含まれます。K2の働きを一言で言うならば、動脈壁からカルシウムを抜き取り、骨へ移動させるという極めて重要な働きをしています。
2001年に日本人の研究者らが報告した論文では、東日本と西日本では、血液中のビタミンK2濃度に違いがあるということです。納豆を頻繁に食べる東日本では、あまり食べない西日本よりも血液中のビタミンK2濃度が高く、その結果として骨粗鬆症になりにくいとも言われています。(骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインより)
ビタミンK2には動脈硬化予防効果もあることが知られています。コレステロールを下げる薬として広く使われているスタチン系製剤では、動脈壁の石灰化が進んでしまうことが報告されています。しかしビタミンK2を多く含む食品をとると、こうしたリスクを減らすことができる可能性があります。
1日1回、納豆を食べることは、腸内環境を整えるだけでなく、骨を強くし、動脈硬化からも身体を守ることが期待できます。