葉酸 ビタミンB9

葉酸は読んで字の如し、緑色の葉物野菜に含まれる栄養素です。ビタミンBとして分類されており、ビタミンB9と呼ばれることもあります。

葉酸は、DNA合成、細胞分裂、アミノ酸代謝など、栄養代謝では重要な働きを担っています。 妊娠初期に葉酸が足りないと、新生児に二分脊椎のような合併症が起きることは広く知られるようになりました。しかし妊娠反応が出てから葉酸を摂取しても手遅れであることはあまり知られていません。妊娠の可能性がある場合には、日頃から新鮮な野菜や果物を摂取し、葉酸不足にならないように気をつけておく必要があります。さらに妊娠期間中は胎児を育てるために、通常の倍以上の葉酸が必要となります。このため妊産婦の場合には、通常の2倍に当たる、800 μg/dayの葉酸摂取が米国では推奨されています。

葉酸欠乏では、ホモシスティン値の上昇がおきます。ホモシスティンは動脈硬化を進める悪玉アミノ酸であり、発がんや認知症のリスクも増やすと考えられています。ホモシスティンは葉酸のほか、ビタミンB6やB12という2種類のビタミンBが不足しても上昇しますので、これらの3種のビタミンを合わせて補充することが大切です。

そのほかの葉酸欠乏症としては、神経障害や巨赤芽球性貧血などがあります。これらはビタミンB12欠乏によっても起きるため見極めが難しくなります。葉酸欠乏を起こす原因には、偏食や大量飲酒、経口避妊薬摂取、抗痙攣剤摂取、胃酸欠乏などがあります。葉酸欠乏が疑われる場合には、葉酸と協調して働くビタミンB12と一緒に補充することが推奨されています。

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