英国のプリマス大学から発表された論文は、自宅の庭や都会の公園など、緑のある空間で時間を過ごすことが、中毒症状の頻度や程度を軽減できると述べています。一方共同住宅の居住者の場合には、窓から見える景色の25%に緑が見える場合でも、同様に中毒症状を緩和する効果があるということです。
これまでの研究では、自然環境にあると運動量が増えるために精神的にも好ましい変化が起きると考えられていました。しかし今回の研究では、運動量に関係なく、緑の環境そのものが人間に対して良い影響を与えていることが確認されています。このように自然環境が、人間の持つ精神的な性癖を修正できる可能性について述べた論文は、世界でも初めてのものです。
日本では森林浴という言葉があるように、自然環境に身を置くことの効用について古くから知られていました。また自然環境を生活空間に取り入れた日本庭園や坪庭のような発想が古くから息づいている国でもあります。今回ご紹介した研究は、緑の環境を維持することが、人間の精神衛生上も極めて重要であることを科学的に述べた価値あるものです。