ウィルス感染を防ぐには、ウィルスを取り込まない工夫をすること、そして体内に侵入してしまったウィルスを排除するための免疫力を維持しておくことが必要です。
免疫力を維持、増進させるための方法を難しく考えることはありません。適切な生活習慣を普段から心がけている方は、その習慣を維持することで十分です。 WHOの公式サイトにはビタミンDが上気道炎を防ぐ可能性についてのコメントが掲載されています。欧米では20年ほど前から現代人にはビタミンDが不足していることが広く知られるようになり、積極的にビタミンD3を補充することが推奨されています。
ビタミンDについては、このブログでも度々お伝えしているように、その働きはビタミンというよりも、むしろホルモンと呼ぶべきものです。ビタミンDには、体の細胞の根本的な働きを調整する役割があります。中でも重要なものが免疫力の増強です。
前述したように、風邪などによる上気道炎の予防や、発がんの予防にもビタミンDが関与していることが報告されています。 ビタミンDにはD2とD3の2種類があります。人間が必要としているものは動物由来のD3です。食品では鮭や青魚などに多く含まれます。干し椎茸やキノコ類に含まれるビタミンDは植物由来のD2であり、ビタミンDの働きを期待する場合には、動物由来のD3を摂取する必要があります。
ビタミンD3の摂取量は、最低でも2000 IU/dayをお勧めします。普段魚をあまり食べない人、高齢者の方はビタミンD3を多めに服用する必要があります。
ビタミンD3の大量服用による副作用を心配する方がいますが、当院外来では、これまで一例も経験がありません。
血液検査にて、ビタミンD3の血中濃度の指標である、25(OH)D3濃度を調べてから服用量を決めることが理想です。