新型コロナウィルスの波が世界中を席巻しています。日本の新規患者数も昨日は71名と、これまでになく増えており、終息宣言とは程遠い状況であることがわかります。
コロナウィルスの変異もこれまでの病原体とは全く異なるほど激しいもので、ワクチンや治療薬の登場を期待することは現実的ではなくなってきました。 現代医療が新たな感染源にここまで無力であることも大きな驚きです。それでは何をすれば良いのでしょうか。封鎖(ロックダウン)により感染の広がりを抑制することはもちろん重要ですが、封鎖はあくまでもウィルスとの接触機会を減らすことにあります。
我々個人にできる、今一つの重要なことは、免疫力を上げるための方法を実践することです。 2週前のブログでもお伝えしたように、ビタミンDを補うことは免疫力向上の大きな手段の一つです。現代人に不足しやすい栄養素には、ビタミンDの他に、亜鉛とマグネシウムがあります。
亜鉛も免疫力維持に重要な働きをしています。特に70歳以上の高齢者では亜鉛が不足する傾向が知られています。あくまでも推測ですが、新型コロナウィルス感染で高齢者の致死率が高いことは、亜鉛欠乏と関係があるかもしれません。 亜鉛が関与している代謝酵素は200種以上とも言われ、DNAやタンパク質の合成、視力や聴力、性ホルモンの分泌、免疫力のコントロールなど様々な働きに関与しています。
亜鉛はスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という抗酸化酵素の活性中心(酵素の必須構成成分)として働き、細胞を酸化ストレスから守る働きをしています。 亜鉛の一日必要量は15mg。しかし60歳以上の年齢の約40%にあたる人々で、亜鉛の摂取量がわずか7mg程度にすぎないと言われています。
是非ともご自身の亜鉛の血中濃度を測定し、不足状態になっていないか否かの確認をされることをお勧めします。不足状態とされる80 (μg/dl)以下である場合には、食品や栄養サプリメントなどから積極的に補充をされることをお勧めします。 亜鉛を多く含む食品の代表は何と言っても牡蠣ですが、その他には、木ノ実、米ぬかなどに多く含まれます。亜鉛を多く含む食品のリストはこちらをご覧ください。