最近の研究報告でもオメガ3脂肪酸を多く摂取している人では、死亡率が低いことが明らかにされています。この研究では、平均年齢66歳の2500名の男女を対象に、血液中のオメガ3脂肪酸インデックスを調べ、その後11.2年フォローアップ調査を行なっています。
調査期間中に350名の方が死亡しましたが、血液中のオメガ3脂肪酸インデックスによって対象を5つのグループに分けて比較したところ、その死亡率には顕著な差がありました。オメガ3脂肪酸インデックスが最も高い群では、最も低いグループと比較して、全死亡率は34%、心臓血管疾患による死亡は39%、虚血性心疾患による死亡は42%、脳血管疾患による死亡は55%、それぞれ低い傾向が見られました。
オメガ3脂肪酸インデックスとは、赤血球に含まれるオメガ3脂肪酸比率を表す指標です。これが高いことは、食事やサプリメントによるオメガ3脂肪酸摂取量が多いことを意味します。本研究でもオメガ3脂肪酸インデックスが高いほど、様々な病気による死亡率が低いことが明らかにされています。
中でも注目すべきは心臓血管疾患による死亡が40%以上も低下していたことです。 EPAなどのオメガ3脂肪酸には血小板凝集を抑制して、血栓形成を防ぐ働きがあることが知られています。また慢性炎症を抑制する働きや脳神経の機能を維持する働きもあります。
現在では、医薬品(エパデール、ロドリガ、etc.)としてオメガ3脂肪酸を摂取することも可能です。魚が苦手という方は処方薬やサプリメントとしてオメガ3脂肪酸を補給されることをお勧めします。