ビタミンCが風邪の予防になることは、1980年代ごろから広く知られるようになっています。この情報の発信源は、2度のノーベル賞を受賞した、ライナス・ポーリング博士の発言からと言われています。最新の研究でも、毎日ビタミンCを摂取していると免疫力を維持することで、ウィルス感染の予防になることが確認されています。
この研究では、1,444名の男性を対象に、1ヶ月間の健康調査を行なっています。対象のうち695名は、2gのビタミンCを1日3回服用しています。1日あたりのビタミンC摂取量としては、6 g ということになります。残りの749名は対照群として偽薬が与えられています。その結果、ビタミンCを与えられたグループでは対照群と比較して風邪をひくケースが少なかったことがわかりました。こうしたビタミンCの効果は、喫煙をしない群でより顕著に現れていたということです。
犬や猫は体内でビタミンCを作り出すことができますが、なぜか霊長類はビタミンCを体内で作ることができません。このため食品からビタミンCを定期的に補給する必要があります。ゴリラはせっせと木の葉を食べていますが、彼らの食べる木の葉に含まれるビタミンCの総量は、体重換算すると人間の成人の場合、約3から4gほどに相当します。
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、服用後3〜4時間で体外へ排泄されてしまいます。このためサプリメントとして服用する場合、朝晩にとることが理想的です。過剰摂取の副作用には下痢があるため、この性質を利用して便秘の治療目的で利用することもあります。健常人の場合、5g以上摂取しない限り下痢になることはほとんどありません。腎臓結石が起きやすくなるという説もありますが、これは事実が確認されていない誤った情報です。
免疫力を維持するためにも、ビタミンCの摂取を積極的に行いたいものです。