ビタミンDとCOVID-19: 重要な研究報告

ビタミンDに、COVID-19感染症の重症化予防効果があることが、最新の論文で確認されています。この研究は、メタアナリシスという信頼できるいくつかの論文をまとめて検証したもので、医学論文の中では信頼が最も高いと言われているもので、先週発表されました。

この研究では、8本の論文を検証しています。臨床研究の対象となったCOVID-19感染患者数は2322名。このうちビタミンDをサプリメントとして服用したものが786名、対照群としてビタミンDを服用しなかったものが1536名いました。それぞれの群で、14病日での死亡率、入院中の死亡率、ICU入室率、人工呼吸器装着率を比較した結果が、以下の図です。

Cardiol J. 2021 Oct 13. doi: 10.5603/CJ.a2021.0122. 

死亡率や重症化率について2群を比較していますが、いずれの項目でも、ビタミンD投与群が有意に低値であり、患者にとって大きなメリットがあることがわかります。著者らはビタミンD投与をCOVID-19感染症の治療方法の一つとして検討すべきであると結論づけています。

ビタミンDにCOVID-19感染症に対する予防効果や治療効果があることは、これまでもいくつかの論文で報告されています。このブログでもそのうちの重要なものはご紹介してきました。今回の研究は、メタアナリシスといういくつかの論文をまとめて検証するものであり、論文としての信頼性は一段アップしたものになります。この研究で、ビタミンDがCOVID-19感染症治療にとって有効であるという結論が得られたことは、極めて意義があるものです。

秋の日はつるべ落とし、と言われるように10月も下旬になると日照時間も一段と短くなってきます。その結果、体内のビタミンD濃度は徐々に低下を始めています。冬場の感染症対策のためにもサプリメントでビタミンDの補充をすることをお勧めします。成人の場合には1日あたり2000 IU (50 μg)以上摂取することが必要です。

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