食事は健康を維持する上での基本です。漢方医学の教えに「薬食同源」という言葉があるように、口にするものは、薬のように体に対して影響を与えています。食養生について述べた先人達の中でも、貝原益軒、水野南北、石塚左玄、桜沢如一らの述べた内容は、江戸時代や明治から昭和に残されたものですが、現代でも多くの人々の健康を支えているものになっています。
これらの食養生に共通することは、過食を避けること、タンパク源として小魚を中心として、肉類を少なめにすることなどがあげられます。最近ではファスティングという言葉もすっかり市民権を得ましたが、過食が続いている方では時には断食や絶食を行うことも多調を整える上では有効と言えます。
食養生の一般論としては、下記のようなものが柱になります。
- 腹7分目、加工食品は少なめに
- 糖質の摂りすぎに注意
- 脂肪の選び方 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランス
- タンパク質を適量摂取する
- 緑黄色野菜と豆類を食べること
- 一日一食 発酵食品 (納豆や味噌、糠漬けなど)
- 海藻類を適量(摂りすぎに注意)
- 食物繊維を十分に
食料品が簡単に入手できる便利な時代ですが、便利さの裏にはリスクもあります。食材の本質を見極めた上で、できれば自分で調理したものを基本として食生活を組み立てることが理想です。
現在の食生活が食養生となっているのか否か。客観的に知る方法はあるのでしょうか? 答えはYesです。現在では、血液検査などによって、現在の自分の栄養状態を客観的に知ることが可能になっています。
脂肪酸分画を調べる方法は代表的なものです。オメガ6脂肪さんとオメガ3脂肪酸の比率をみることで、普段の食生活が和食中心かそうでないかが一瞬でわかります。毛髪分析やOligo scanと呼ばれる分光光度計による検査では、必須ミネラルの過不足や有害金属汚染の有無を調べることができます。
先人達の養生訓を基にして、科学的な分析技術を活用することで、よりよい食養生ができる時代になったと言えそうです。