キクラゲの効用については、今年の3月のブログでもご紹介しましたが、新たな研究報告が先月発表されました。この研究はマウスを使った動物実験ですが、キクラゲに含まれる成分を投与すると、糖尿病治療効果だけでなく高脂肪食を取っていても体重増加が起こらないことなどを明らかにしています。
この実験では、糖尿病モデルマウスを作成し、キクラゲの成分であるAAPという多糖体を5週間に渡り投与しています。その結果、5週間後の空腹時血糖値と糖負荷試験による血糖値はAAP投与群で有意に減少していることがわかりました。
さらにAAP投与群では、SOD、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシダーゼといった抗酸化作用のある酵素活性が増加しており、対照的に酸化ストレスマーカーであるMDA値が減少していることがわかりました。さらにこうした糖代謝改善効果や酸化ストレスに対する効果は、腸内細菌叢の変化によるものであることも明らかにされています。
キノコ類は菌糸体によって産生される独特の食品です。その成分についてはまだまだ未知の部分も多いのですが、βグルカンのようにヒトの免疫力を高める働きや神経機能の維持にも効果があることがわかってきています。今回の研究では、キクラゲの持つ抗糖尿病作用が明らかにされました。
日常食品の中にキクラゲのようなキノコ類を積極的に取り入れたいものです。以前にもご紹介したように、下記の乾燥キクラゲには、通常のキクラゲよりも数百倍も高濃度のビタミンDが含まれています。こうしたものを利用することも健康増進に役立つと思います。