ヨウ素と健康

ヨウ素は健康を維持する上で欠かすことのできないミネラルの一つです。体内では甲状腺ホルモンを作る原料として利用されています。甲状腺ホルモンは、細胞代謝を司る極めて重要な働きをしており、甲状腺機能が正常であることは健康を維持してゆく上で欠かすことのできない条件です。

ヨウ素は昆布などの海藻類に大量に含まれていますので、特殊な食生活をしていない限り、日本人がヨウ素摂取不足になることはまずありません。むしろ海藻類の取りすぎによる、ヨウ素の過剰摂取による健康障害に注意すべきです。ヨウ素の過剰摂取は、甲状腺機能低下症など、甲状腺機能の異常をもたらします。

海産物摂取の機会の少ない、海外の内陸国家では、ヨウ素の摂取不足による健康被害が深刻な問題となっています。ヨウ素が欠乏すると、甲状腺機能低下症による体調不良だけでなく、新生児の発育不全や知能発達障害などがおこりやすくなります。このため近年ではヨウ素を添加した食塩などを利用することで、ヨウ素摂取不足による弊害を防いでいます。

ヨウ素はうがい液の成分として広く知られているように、低濃度でも殺菌消毒作用があります。ただし頻繁に使用することは、ヨウ素の過剰摂取のリスクもありますので注意が必要です。福島原発事故の際には、放射性同位元素のヨウ素131が放出されたために、安定ヨウ素を予防的に服用することが推奨されました。この際、ヨウ素を含むうがい薬での代用は、むしろ体調不良を招くリスクがあるという警鐘が鳴らされたことは記憶に新しいところです。

ヨウ素を取りすぎていないか否かは、甲状腺機能検査などによって確認ができます。根昆布健康法などによって、昆布類を過剰に摂取している方は、定期的な甲状腺検査を受けることをお勧めします。

2月26日(日曜日)セリスタ社主催のWebセミナーでヨウ素のお話をします。ご参加いただければ幸いです。

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