エリスリトールは砂糖の代替品として多く利用されています。しかしこの人工甘味料の長期的な安全性についての検証はされていませんでした。つい最近、米国のクリーブランドクリニックから発表された最新研究では、エリスリトールを多量に摂取することは、心臓血管疾患のリスクを高める可能性を指摘しています。
この研究では、合計約4000名ほどの心臓血管疾患患者の血液を分析した結果、エリスリトール濃度が高いことが確認されています。エリスリトールの濃度によって4群に分けて心臓血管疾患になるリスクを比較したところ、最も濃度が高い群は健常者の2.21倍、最も低い群であっても1.8倍もリスクが高いことがわかりました。
さらに健常者のボランティア8名に、にエリスリトールを服用してもらい、血液中の濃度変化を観察したところ、血中エリスリトール濃度は2日以上にわたり上昇が認められました。さらに、基礎研究では、エリスリトールによって血小板機能が変化し、血栓形成が起きやすくなることも確認されています。
エリスリトールは、トウモロコシを発酵させて作られる、砂糖の70%程度の甘さを持つ人工甘味料です。比較的安全であるとされて、清涼飲料水や菓子類など多くの食品に添加されています。しかし今回の研究が指摘しているように、エリスリトールを長期に摂取した場合の安全性については検証されていませんでした。
今回の研究報告では、エリスリトールを常用することは健康上の問題、特に心臓血管疾患の原因になる可能性が明らかにされています。体重コントロールなどの目的で、エリスリトールを砂糖の代替品として利用することは、要注意と言えそうです。