このブログでも何度かコーヒーの持つ健康効果についてお伝えしてきましたが、反対意見があることも事実です。反対意見の中には、コーヒーに含まれるカフェインが不整脈の原因となることを指摘するものもあります。しかし、最新の論文では、適量のコーヒーを飲むことは、必ずしも不整脈の原因とはならないと結論づけています。
この研究は、平均年齢が約39歳の100人の健康なボランティアに、心機能、毎日の歩数、睡眠パターン、血糖値を継続的にモニターするガジェットを装着してもらい、2週間にわたり、特定の日にカフェイン入りコーヒーを飲むか避けるかを指示するテキストメッセージを毎日送信し、身体情報の変化を解析したものです。
カフェイン入りコーヒーを飲むことは、心臓の不整脈を増やすことが指摘されていましたが、今回の研究ではそのような変化は認められませんでした。一方では、カフェイン入りコーヒーを飲んだ日は、1日の歩数は約1,000歩増え、睡眠時間は約36分短くなりましたが、血糖値にはほとんど差がありませんでした。
さらに興味深い結果として、カフェインを早く分解できる遺伝子変異を持つ人では睡眠不足なることが少なく、カフェインの代謝が遅い遺伝子変異を持つ人では、睡眠不足が多くみられました。これらの結果から言えることは、1日に数杯のコーヒーであれば、心臓の不整脈を増やす危険性はないが、人によっては睡眠の質に影響があるということです。
カフェインが体内で代謝されて半分量になる半減期は、6~8時間とされていますので、睡眠の質を保つためには、夕方4時以降には、カフェイン入りのコーヒーはあまり飲まない方が良さそうです。カフェインは適量であれば、認知機能の維持や身体能力の向上に役立つ有益な働きがあります。コーヒーを適量飲むことは健康維持の上で有益と考えます。