プロテイン 飲むべき?

プロテインドリンクがブームのようです。スポーツジムに行くとプロテインドリンクを勧められるが、飲んだ方が良いのでしょうかという質問をよくされます。本日は加工食品の一つであるプロテイン(タンパク質)について述べます。

そもそもプロテインとはどういうものでしょうか。人体の骨格や皮膚など様々な臓器を作る上で欠かすことのできない栄養素の一つです。他にも下にまとめたような様々な働きをしているのがプロテインの役割です。

  • 細胞構造
  • 酵素
  • ホルモン
  • 免疫機能
  • 輸送機能
  • 細胞の受容体

プロテインは、20種類のアミノ酸から合成されています。アミノ酸とは、その構造に窒素を含む有機物質です。すなわちプロテインには窒素が含まれることが、炭水化物や脂質と異なる大きな特徴です。

プロテインは胃腸で消化されアミノ酸の形で小腸から体内へ吸収されます。余剰のアミノ酸は腸管内に残りアンモニアへと分解されます。アンモニアは生体にとって有害な成分ですので肝臓で尿素へと変換され、腎臓から排泄されます。

窒素は生体にとって必須の元素ですが、アンモニアという有害物質が最終産物になるため、これを処理することが生体にとっての大きな課題となります。プロテインの取りすぎは、腸管内でのアンモニアを増やす結果となり、これを処理するために肝臓や腎臓に負担をかけることになります。

1日あたりどの程度のプロテインを摂取すれば良いのでしょうか。諸説がありましたが、現在では体重(kg)に0.8をかけた数値をグラムとしたものが推奨されています。例えば、体重60Kgの方であれば、60×0.8=48 gということになります

魚や肉類などの食肉には重量の約20%のプロテインが含まれるとされますが、1日あたり48gのプロテインを摂取することは、高齢者では、意外と難しいことかもしれません。そこでプロテインドリンクの飲用が勧められているわけです。

しかしここで大きな問題があります。加齢によって食べる量の減った方に無理にプロテインを勧めることは、消化吸収に負担がかかり、本来の食事が食べれなくなってしまう方もいらっしゃるようです。未消化のプロテインドリンクは、アレルギーの原因となったり、腸内細菌叢を撹乱してしまうことで腸の健康を損なう原因にもなってしまいます。

このため安易にプロテインドリンクを高齢者に勧めることは注意が必要です。また加工食品の一つであるプロテインドリンクには、リン酸や人工甘味料など健康維持にとってありがたくないものも含まれていることがあります。飲用する場合には、内容成分を確認することをお勧めします。

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