猛烈な暑さが続いています。街に出ると毎日のように救急車のサイレンが聞こえます。体の不調を訴える方が増えていることがわかります。深部体温の上昇は、心臓や腎臓の機能障害を引き起こす原因となります。高齢者では、体温上昇に対する反応が低下するため、気がついた時にはすでに動けなくなるくらいに熱中症が進行してしまっているケースもあるようです。このため、体温が上昇しないように積極的に予防することが重要となります。
熱中症とは下記の状態をまとめて表現したものです。
☆ 熱痙攣 (heat cramps):痛みを伴う筋肉の痙攣、こむら返り
☆ 熱失神 (heat syncope):意識が朦朧とする状態、フラフラする状態
☆ 熱疲労 (heat exhaustion):体温40℃近く、皮膚冷感、頭痛、虚脱感、嘔吐
☆ 熱射病 (heat stroke):体温が40℃以上に上昇、発汗不能、意識障害、全身痙攣
海外の研究では、積極的に暑さに慣れることも熱中症予防にとって効果的であると述べています。この研究では、既往疾患として心臓病を持つ高齢者にフィンランド式サウナに入ってもらうことを臨床試験として行いました。参加者は、サウナに10分間入るセッションを2回行い、徐々にサウナ浴の時間を延長し、15分間入るセッションを2回までに増やしています。その結果、参加者の発汗が増加することが確認され、暑さへの順化現象が見られたということです。疾患を持つ高齢者でも高温環境への順応力があるということですが、高温サウナを高齢者に安易に勧めることはなかなかできるものではありません。
炎暑対策のヒントは次のとおりです:
- 時間を決めて定期的に水分を摂る。真水が飲みにくい時は、レモンなどで味付けをする。
- 冷たい水に手や足を浸す。手のひらや足の裏はラジエターの働きがあります。
- 就寝前には湯船に浸かり、冷房で冷えた体を温める。
- 温度が体温よりも低い冷たい飲み物を大量に摂ることはしない。
- 汗をかいた日には、塩分補給も忘れずに。
- 最も気温が高い時間帯には外出や戸外活動を控える。
- クーラーと扇風機を併用することで、体感温度を下げる。
- 社会的に繋がっている(特に高齢者や社会的に孤立している人々にとって重要です)。
暑い夏を無事にのりきりましょう。